季節を包み込む、旬野菜のがんもどき
蕎麦と天ぷらのお店「月を忘れてゐた」の店名は、ある詩人の詩から引用したものだそう。
日本人にとって、月は移りゆく季節の象徴。「日本にこんな美しい季節や、季節ごとに変わる情景があったことを思い出す」。その言葉に込められた感覚を、お料理を通して届けています。
季節のことを忘れていたんだな、忘れていただけなんですよね。季節に逆らわず、その時季を大切にして、旬の採れる食材で料理をする。そんな考えから名前をつけました。
と店主の岡田さん。

和食文化を未来に
東京の飲食店や和食店で経験を積み、奥様の地元にも近い糸島で店を始めた店主の岡田さん。糸島で料理をするなかで感じるのは、食材の豊かさと、その新鮮さだといいます。
蕎麦や天ぷらを食べながらお酒を楽しむ時間が好きだったことから、蕎麦前、蕎麦粉を使った天ぷら、季節の創作十割蕎麦で締める現在のコーススタイルへ。食材だけでなく、丁寧につくられた調味料を選びながら、鋭い感性で創作的な和食を提供されています。

「和食の道で料理をしてきて、やっぱり和食が好きですし、未来につないでいくべきものだと思います。蕎麦打ちもそうですが、日本人でも寿司を握れる人や蕎麦を打てる人は少ない。どちらも貴重な日本の文化です。」
農と食を相互に強く影響しあうものとして捉え、耕作放棄地でも育ちやすい蕎麦の可能性に目を向けながら、いつか糸島産の蕎麦粉を使った、ここでしか味わえない一皿を届けたいと考えています。
季節を包み込む、旬野菜のがんもどき
今回ご紹介するのは、人参やズッキーニ、とうもろこしなど、季節の野菜を使ったがんもどき。
表面は香ばしく、中は豆腐のやわらかな食感と野菜の旨みがじゅわっと広がります。使う野菜を季節ごとに変えながら、ご家庭でも自由に楽しめる一皿です。

「 季節野菜のがんもどき 」
材料(4個分)
| 人参 | 1/2本 |
| 生姜 | 2かけ |
| モロッコいんげん | 2本 |
| とうもろこし | 1/2本 |
| ズッキーニ | 1/4本 |
| 木綿豆腐 | 1丁 |
| 卵白 | 1個分 |
| 片栗粉 | 大さじ1 |
| 塩 | ひとつまみ |
| 揚げ油 | 適量 |
| だし (出し汁:みりん:醤油=6:1:1) | |
| カツオと昆布の出し汁 | 180ml |
| みりん | 30ml |
| 醤油 | 30ml |
| 水溶き片栗粉 | 適量 |
作り方
- 人参とズッキーニを小さめの角切りにし、茹でる。とうもろこしも茹で、実を芯から外しておく。


- 木綿豆腐の水気をしっかり切り、ペースト状にして裏ごしする。

- モロッコいんげんは筋があれば取り除き、1分ほど茹でる。

- 卵白と裏ごしした豆腐を混ぜ合わせる。茹でた人参、ズッキーニ、とうもろこし、片栗粉、塩を加え、全体がなじむまで混ぜる。

- 生地を4等分にし、丸く成形する。

- 油できつね色になるまで揚げる。目安は、170〜180℃で3〜4分。

- 生姜をすりおろしておく。(チューブの生姜でも代用できます)

- だしをつくる。カツオと昆布で取った出し汁を沸かし、みりん、醤油を加える。ふつふつと沸いているところへ水溶き片栗粉を加え、とろみをつける。

- 器にだしを注ぎ、揚げたがんもどきを盛る。モロッコいんげんと、すりおろした生姜を添えて完成。


ご家庭でつくるときのコツ
- 木綿豆腐はしっかり水気を切っておくと、生地がまとまりやすく、丸く成形しやすくなります
- 人参やズッキーニのほか、れんこんやごぼうなど、季節や冷蔵庫にある野菜に替えても美味しくつくれます
- だしにとろみをつけると、がんもどきに絡みやすくなり、最後まで温かく楽しめます

季節ごとの野菜を包み込んだ、やさしく食べ応えのあるがんもどき。ぜひ、ご家庭でも旬の食材でお試しください。
店舗情報
天蕎麦や 月を忘れてゐた
| 住所 | 〒819-1119 福岡県糸島市前原東1丁目8-17 糸島新聞社ビル 1F |
| 営業時間 | ランチ 11:30〜14:00/14:00〜19:00受付まで ※夜は前日までのご予約のみ |
| 定休日 | 不定休 |
| 席数 | カウンター10席(全席禁煙) |
※本記事は2024年6月の取材内容にもとづいています。店舗情報・メニュー・価格は変更されている場合がありますので、営業時間・定休日は店舗のSNS等で最新の情報をご確認ください。

文・写真: MINORI FOODSCAPE



