野菜が主役。お肉は付け合わせ。
フランス北東部、ドイツと国境を接するアルザス地方。ふたつの国の文化が融け合った独自の食文化と、世界有数のワインの産地として知られる土地。その伝統料理と厳選されたアルザス産ワインを、現地の家をイメージした店内でカジュアルに楽しめるのが『LA CIGONE』。店主の穴井シェフは、旅行で訪れたアルザスで本場の味に惚れ込み、アルザス料理一本のお店をひらくことを決めたそう。
今回教えていただいたのは、お店の看板メニューでもある「シュークルート」。アルザス語で「酸っぱい草」を意味する「surkrut(シュルクルット)」が語源といわれる、塩漬けにした野菜を乳酸発酵させてつくる郷土料理。酢などの調味料は使わず、野菜由来の乳酸発酵にお任せするだけ。
本場アルザスでは、野菜がメイン、お肉は付け合わせと考えられているのだそう。発酵の過程で出てきた野菜の出汁も、煮込む際に余すことなく使い切る。
旬の白菜で、アルザスの冬支度
今回はキャベツではなく、旬の白菜でアレンジ。キャベツとはひと味違う食感が楽しめるほか、鍋物の機会が増える時期、余った白菜の活用にも。塩とスパイスだけで仕込み、お漬物の感覚で長く保存もきく、覚えておきたいひと皿です。
レシピ
「 白菜のシュークルート 」

白菜・じゃがいも・豚肩ロース・ベーコン・ソーセージを重ねて煮込む、アルザスの郷土のひと皿。
材料
※分量は4人前の目安
- 白菜……1玉
- じゃがいも……2〜3個
- 豚肩ロース……200g ※豚バラブロックでも美味しいです
- ベーコン厚切りスライス……2枚
- お好みのソーセージ……3本
- 白ワイン……50cc ※お好みで増やしてもOK
- 塩……適量 ※白菜の重量の約2%
- マスタード……適量 ※お好みで
- お好みのスパイス4種類程度……適量
※今回は、ローリエ・フェンネルシード・ジュニパーベリー・クミンを使用
素材選びのポイント
- 白菜……鍋物で余ったものの活用にも最適。キャベツでつくれば、より本場の味に
- 豚肩ロース……塩をかけて一晩寝かせてから下茹ですると、さらに美味しく

作り方
1. 白菜を洗い、千切りにする。
2. 千切りした白菜をボウルに入れ、塩を加えて、全体がしなっとするまで手で揉み込むように混ぜる。
3. お好みのスパイスを加え、さらに手で揉み込むように混ぜる。
※ローリエは千切って入れると香りがつきやすいです
4. 保存容器(ジップロックでも可)に、空気を抜くように手で押しながら入れ、できれば最低でも4、5日ほど、涼しい場所や季節によっては冷蔵庫で乳酸発酵させる。水分が出てきて、白菜の色が抜けたら発酵完了の合図。
※保存容器に空間ができるようであれば、中でラップをかけ、空気に触れないように寝かせます
5. じゃがいもを水でさっと洗い、皮を剥く。
6. 豚肩ロース肉に塩をかけ、下茹でする。
※サイズによって、またお子様がいらっしゃるご家庭などでは、お好みでスライスしても良いです(今回はスライスしていません)
7. ベーコンを焼き色が着くまで焼く。
8. 鍋の底に白菜のシュークルートを敷き、豚肩ロース・炒めたベーコン・ソーセージ・じゃがいもを入れ、上からさらに白菜のシュークルートを蓋をするように重ねる。
9. 発酵した白菜のシュークルートから出た水分を、食材が浸る程度まで入れる。お好みで白ワインとローリエを加え、蓋をして1時間ほど煮る。
※沸騰するまでは強火、その後は弱火
10. 豚肉とじゃがいもに火が入り、柔らかくなったら火を止め、お野菜に味を吸わせるため、蓋をして30分〜1時間ほど余熱で蒸す。
11. 再度温め直して、お皿に盛り付ける。
12. お好みでマスタードを添えて完成。

ご家庭でつくるときのコツ
・発酵期間が長いほど、酸味が増します
・塩を増やすとより長く保存でき、保存食にもおすすめです(食べる前に水で洗い、塩抜きをしてください)
・味が薄いときは、ブイヨンまたはチキンコンソメを加えると味が乗ります
・じゃがいもが煮崩れそうなときは、先に取り出してください

塩とスパイスだけを添えて、あとは発酵の営みにゆだねる。
ゆっくりと深まる冬の味を、どうぞご家庭でもお試しください。
店舗情報
LA CIGONE(ラ・シゴーニュ)
■ 福岡県福岡市中央区平尾3-5-2(薬院大通駅から徒歩8分)
■ 050-5590-5314
■ 18:00~翌4:00(L.O. 翌3:00)
不定休(ほぼ月曜日)
※店舗情報は取材時点(2023.2.3)の内容となります。営業時間・電話・定休日は店舗のSNS等で最新の情報をご確認ください。

文・写真: MINORI FOODSCAPE



